環境法務

 

 

1. 環境に関する法令の遵守

 

 「工場用地内におけるゴミ処理や騒音について地域住民から苦情が出ていると行政側から指導を受けた。どのように対応すればいいのか?」
 「企業活動において環境に配慮しているとPR活動をしているが、法令に違反していないだろうか?」

 

 企業が環境に関する法令(環境法)に違反すれば、法的な責任(民事責任や刑事責任、さらに行政処分など)を問われる場合があるだけでなく、環境を破壊したとして大きな社会的な非難を浴び、築いてきた信用を失うことも少なくありません。
 弁護士として工場の騒音に関する調停や廃棄物に関する事件などに企業側の代理人としてたずさわる中で、環境法の重要性を実感しました。
 以下、環境法に関するポイントを列記します。

 

2. 環境に関する法令の分類・改正

 環境に関する法令は、環境保全の基本理念を定めている環境基本法(平成5年成立)を基礎として、大雑把に分けると、以下の6分野に大別できると言えます。(以下の法令は、"電子政府の総合窓口イーガブ"より引用)

(1) 環境汚染・公害の防止に関する法令
 例)大気汚染防止法水質汚濁防止法など
(2) 化学物質に関する法令
 例)化学物質審査規制法ダイオキシン類対策特別措置法
(3) 廃棄物処理・循環型社会に関する法令
 例)廃棄物処理法資源有効利用促進法(資源の有効な利用の促進に関する法律)家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)
(4) 環境アセスメントに関連する法令
 例)環境影響評価法
(5) 自然・文化環境保護
 例)自然公園法
(6) 地球環境に関連する法令
 例)地球温暖化対策推進法(地球温暖化対策の推進に関する法律)・省エネルギー法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)

 最近とくに注目されているのが、(6)地球環境に関連する法令です(たとえば、省エネルギー法は、平成22年4月に改正法の第2段階が施行されるなど、規制が強化される方向で改正が進んでいます)。
 現在、地球規模であるいは国境や地域を越えて環境問題が影響を及ぼしており、なかでも温室効果ガスの排出量が増大しつづければ、地球規模で大きな気候変動をもたらさないかと懸念されています。

 このような中で、東京都は、平成20年に「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(環境確保条例)を改正し、オフィスビルを含む幅広い事業所を対象に、温室効果ガスの排出量削減義務を課し、達成できなければ他から調達して削減義務を達成することを義務付けるという画期的な制度を導入しました(平成22年4月1日から、排出量規制と排出量取引制度が開始されました)。今後の運用が注目されます。

 また、再生可能エネルギーに関する分野は、新しい法制度の整備が進んでおり、注目されています。

 平成24年7月に施工された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」は、再生可能エネルギーの全量の固定価格買取制度を定めており、新しいビジネスチャンスを生むといわれていますが、他方で、新しい法律問題も生じるのではと考えられます。

 最近は、地方自治体が保有する公有財産を太陽光発電パネルの設置場所として利用することも検討されています。

 

3. 環境管理手法

 現在、企業の環境法務において、環境に関する法令を遵守するだけでなく、環境保全を管理するための手法(環境マネジメントシステム)も重視されています。
 例えば、ISO14000シリーズや環境会計、環境ラベル規格などです。

 環境管理手法の中で、注目されているのが環境報告書です(または持続可能性報告書と呼ばれているケースもあります。)。
 企業は、企業活動における環境負荷や環境に配慮した活動などを環境報告書に記載して公表することにより、取引先や消費者などに対して、環境保全のための取組などを伝えるというメリットがあります。
 ただ、環境報告書の内容の信頼性をどのように確保するのか、また環境報告書の内容に虚偽があった場合に企業がどのような法的責任を負うのか、といった難しい問題が残されていると言えます。→さらに詳しく

 

4. 環境法に関する法律相談

 以上のように、環境法は今後さらに改正されることが予想され、また企業活動に重大な影響を及ぼす場合があります。
 また、環境法に関する問題を放置しておくと、企業にとって大きなダメージを与えかねませんので、早期の対応が必要といえます。

 当事務所では、環境法についてのご相談やご依頼をお受けしております(→相談)。まずはお問い合わせ下さい。