環境法務

 

 環境報告書

 

 Q①:環境報告書とは何ですか?

 A①:簡単に言うと、事業者が、自らの事業活動に関する環境負荷や取り組みを定期的に公表するもの、といえます。

 なお、環境配慮促進法(環境省ホームページより)により、事業者には環境報告書を作成・公表する努力義務が課されています。

                <参考資料:環境省ホームページより>

                  ・環境報告ガイドライン(2007年版)

                  ・環境報告書の記載事項等の手引き(第2版)

 

  Q②:環境報告書の課題は何ですか?

 A②:環境報告書の課題としては、①信頼性の向上、②数値データの比較可能性の向上、③ネガティブ情報の開示、④生物多様性への言及等が挙げられます。

 とりわけ、①信頼性の向上は、重要な課題といえるでしょう。

 なぜなら、環境報告書には、環境への取り組みに関する説明責任を果たす役割や、利害関係者との環境に関するコミュニケーションの促進が期待されていることから、信頼性を高めていく必要があるからです。

              

                            <参考資料:環境省ホームページより>

               ・環境報告書の信頼性を高めるための自己評価の手引き

 

 Q②:環境報告書の内容に誤りがある場合、どのような責任が生    じますか?

当社(A社)が、環境報告書を作成・公表したところ、B社から「環境報告書を見て、A社の企業活動は環境負荷が抑えられており素晴らしい」と言われ、結果、新規の取引を開始することになりました。

 その後、B社との取引量は順調に増えたのですが、最近、当社の環境報告書の記載事項に謝りがあったことが分かり、B社に伝えたところ、「環境報告書の内容に誤りがあるなら取引は中止」と言われてしまいました。B社との取引は中止(解約)となりますか?

 

  A③:結論から言うと、B社との取引においてどのような取り決めがなされていたかによる、ということになります。

  まず、環境報告書の内容に誤りがある場合、A②の通り、その環境報告書の信頼性が失われ、ひいては環境報告書を作成・公表した事業者の社会的信頼が低下することが考えられます。

  ただ、法定なペナルティについては、さきほどの環境配慮促進法第16条に特定事業者による環境報告書の虚偽記載の罰則が規定されていますが、それ以外には規定がない状況です。

 そのため、取引関係において、環境報告書が用いられた場合(Q③のように、環境報告書を用いて新規取引が開始されたようなケース)には、その取引において、環境報告書の内容に誤りがあった場合に、どのような法的責任が生じるのか明記しておくことが望ましいといえます。

 たとえば、取引基本契約書に「環境報告書の内容に誤りが発見された場合」について法的効果(解除権の発生など)を明記しておくといった方法が考えられます。

 

 なお、A社が、ある商品を開発して、環境負荷について実際より著しく優良であると誤認される表示をして商品を売り出した、というケースであれば、不当景品類及び不当表示防止法(法令データ提供システムイーガブより)といった不当表示を規制する法令によりペナルティを課されることがあります。

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